私たちはみんな「宇宙船地球号」の乗組員です。しかし、この船はこのままでは沈んでしまうのではないか、という危機に瀕しています。乗組員がなかなか団結して行動を起こすことができず、危機は高まる一方です。

地球が与えてくれた豊かな恵みのシステムが、人類の活動によって破壊されようとしているのです。

■鈍感の悲劇

地球環境問題が深刻になっている理由は、当事者としての危機意識を実感しにくいことにあります。「鈍感の悲劇」といわれます。

ぬるま湯のなかでカエルをゆっくりと温めると、湯から逃げ出さずに、火傷を負うことになるという例えばなしに似ています。

歴史的にみても、人類は痛い目にあわないと腰を上げないという性質があります。

専門家は、人類の行動の進化史は「慣性の法則」とでもいうべき型に支配されていると言います。行動を変える必要が出てきても瀬戸際まで動かず、変化のタイミングが遅れてしまうのです。

でも、環境問題は、痛い目にあってからでは遅いところまできてしまいました。生活者として、微力でも心がけていかなければならない問題です。

二酸化炭素や温室効果ガスの絶対的削減の必要性、緊急性を認識し、一人ひとりが行動に移さなくてはいけません。

■未来のビジョンを描く

大切なのは、一人ひとりが今この瞬間、どういう未来のビジョンを描くかでしょう。

持続可能な方向に進まなければ危ないということは、生命の基本的な直観として既に多くの人たちが感じるようになりました。

そんな今だからこそ、持続可能な生き方を「喜び」として選択できるはずです。旧来の価値観を崩すことは簡単ではありませんが、変わった方がすてきなんだと思ったとき、変革が起こります。

大きな変化は、小さな変化からしか起こりません。例えばたばこをポイ捨てするか、灰皿にちゃんと捨てるか、そうした判断を私たちは絶えずやっていて、小さな選択が、究極において大きな変化を作るのです。その際、何がいいことなのかを判断するには、生命としての直観を大事にすべきでしょう。

■身近な森林を守る

身近な森林を守るための行動も大切です。人間は森から生まれ出たと言われています。緑の字は「縁」の字に似ていますが、緑と人は縁があるわけで、皆がもっと緑に興味を持つことが必要です。

日本は森林大国です。日本の森林は約2500万ヘクタール。国土面積に占める森林面積(森林率)は約7割にのぼります。先進国の中ではフィンランドに次いで2番目です。

そんな日本の森林面積の4割は植林・造林ですが、残念なことに林業の担い手が高齢化などで減ってきています。

戦後の日本の営林政策はそれなりの成果があったと評価されています。しかし、これからは営林と同時に「衛林」も必須です。つまり、みんなで林を衛(まも)るのです。自然を大事にしていく自己規制の気持ちが必要です。

■水昇火降

地球を守る行動のエンジンとなるのが「水昇火降(すいしょうかこう)」です。水昇火降とは、「頭ひんやり、お腹ぽかぽか」という状態です。

私たちの体には、下腹の温かいエネルギーによって、腎臓にある「水」のエネルギーを引き上げるという流れがあります。水のエネルギーの上昇によって頭がひんやりとし、同時に心臓の火のエネルギーが下がり、お腹が温まります。これが人間の体内のエネルギーの理想的な循環であり、「水昇火降」というシステムです。

人は水昇火降の状態になれば自然に意識が明るくなるので「自分」という小さな枠から抜け出して周りの人や地球を守ろうという意識が自然に芽生えてきます。人間と地球はエネルギーでつながっているため、人間が水昇火降できれば地球も水昇火降できます。

地球規模の環境破壊が進む中で、次の世代にこの「かけがえのない地球」を引き継ぐためにも、私たちは今こそ立ち上がるべきです。

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